Koichi Fujino Lab

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Blog

Jan 16, 2023
1:37 am

どのように世界を変えていけばいいのか

アメリカ文学を教える授業の一環として、ジョージ・フロイドの事件を取り上げたビデオを見せたところ、授業後に学生から「ジョージ・フロイドの事件のような悲劇が起こらないように、どのように世界を変えていけばいいのか。私たちはどうしたらいいのだろうか。」という質問を受けました。それに対する回答を、忘備録としてここでも再録しておきます。

[質問への回答]
大変簡単な答えになってしまうかもしれませんが、まず世界を変えていく第一歩として、自分の個人的な関係(2名から3名の関係)において、短時間でもよいので、人と平等な関係を結び、平等に話す努力をしてみましょう。

個人的な関係において、短時間でもよいので平等な関係で話す努力をする相手としては、たとえばあなたの親、あなたの兄弟、あなたの先生、あなたの先輩、あなたの後輩、あなたの友人などが考えられます。これらの人々と、個人的に話をする時、相手と平等な立場で、相手を一人の尊厳ある人間として、同じように丁寧に話す努力をしてみましょう。たとえば親と話をするとき、兄弟と話をするとき、先生と話をするとき、先輩と話をするとき、後輩と話をするとき、友人と話をするとき、ほぼ同じように丁寧な言葉を使い、ほぼ同じように相手を尊重し、ほぼ同じように相手の意見を聞き、ほぼ同じように自分の意見をきちんと言えるような態度を身につけてみましょう。

一度やってみるとわかりますが、これはなかなか難しいことで、努力がいります。しかし、一旦そのような丁寧な言葉遣い、相手を尊重する態度、相手の意見を聞く態度、自分の意見をきちんと言える態度を身につけることによって、国際的な関係においても、また、英語を話すときでも、相手が白人であろうと、黒人であろうと、年上であろうと、年下であろうと、目上であろうと、目下であろうと、同じように丁寧な言葉を使い、相手を尊重し、相手の意見を聞き、自分の意見をいうことができる能力を養うことができます。もし、みなさんが英語で会話をできるようになりたかったら、やはりこのような態度を身につけるように努力しましょう。そのような態度を身につけることで、皆さんもまた、周りの人々から尊重される人間になることができます。

ジョージ・フロイドの悲劇において明らかですが、フロイドを窒息させた白人警官は、おそらく相手が白人であったら、ジョージ・フロイドにしたようなやり方はしなかったでしょう。ジョージ・フロイドの悲劇は、彼を殺した白人警官が「相手によって態度を変える」人物であったために起こった悲劇です。このような悲劇は、私たち一人一人が、人々と個人的に話をする時、相手と平等な立場で、相手を一人の尊厳ある人間として、同じように丁寧に話す態度を身につけることによってなくすことができます。

それが世界を変える第一歩になります。